Zendesk 2023年10月のアップデート情報をまとめてみました
こんにちは、昴です。
今回はZendeskの2023年10月のアップデート情報について1つずつ見ていきます。
Support
保険業界向けモデルのボットが登場
保険業界向けにカスタマイズされたトレーニング済みの新しい目的モデルは、インテリジェントトリアージや高度なボットで使用できます。この新しいモデルは、受信チケットと会話を一貫した方法で自動的に分類し、ビジネスルール、ワークフロー、ルーティングなどで効果的に活用できます。詳しくは「目的、言語、印象に基づくチケットの自動トリアージ」を参照してください。
これまでZendeskのボットはBtoCの利用が中心でしたが、今回のアップデートにより、保険業界向けにも高度に使用できるようになりました。
子チケットの情報を墨消し
エージェントは、親チケットのサイドカンバセーションドロップダウンと子チケットのサイドカンバセーションドロップダウンでサイドカンバセーションの子チケットの情報を墨消しできるようになりました。これまで、「墨消し」ボタンは親チケットのみに表示されていました。詳しくは「サイドカンバセーション内のコンテンツを墨消しするには」を参照してください。
これまで、親チケットのみ墨消しは可能でしたが、子チケットでも墨消しが可能になりました。 しかし、あくまでもZendesk内のサイドカンバセーション内のみの墨消しを行うため、メールやMicrosoft Teamsといった外部チャネル上のコンテンツは墨消しされません。
ビューの表示数が増加
「ビュー」パネルが更新され、折りたたみ可能なセクションに30個の共有ビューと10個の個人ビューが自動的に表示されるようになりました。これまでは最大12個の共有ビューと8個の個人ビューが表示されていました。詳しくは「チケットのビューにアクセスする方法」を参照してください。 (Enterpriseのみ)「ビューの数を制限」と「ビューのフィルタリングへのアクセス」という2つの新しい権限が管理者に付与され、エージェントのビューへのアクセスを制御できるようになりました。
これまで、ビューの作成方法や活用方法をブログで投稿してきましたが、ビューが一度に表示できる数に限りがありました。その数が12⇒30(共有ビュー)、8⇒10(個人ビュー)に増加するそうで共有ビューについては倍以上です。さらにEnterpriseのみになりますが、新たな権限が2つ追加されました。今後さらなるビューの活用が出来そうです。
レコードのプレビュー(コンテキストパネル)
新しいコードのプレビューパネルに、作業中のチケットに関連するレコードの情報を表示することができます。コンテキストパネルに組み込まれたレコードのプレビューにより、チケットを離れずに関連情報を見ることができます。詳しくは「チケット内の関連オブジェクトレコードの操作」を参照してください。
これまでカスタムオブジェクトレコードはSupportのサイドバーからカスタムオブジェクトへ移動して、表示や編集、削除を行っていました。
今回のアップデートにて、コンテキストパネルに組み込まれたレコードのプレビューにより、チケットを離れずにレコードの関連情報を見ることができるようになりました。
ルックアップリレーションフィールドの横にあるレコードのプレビューアイコンをクリックすることで表示できます。
また、カスタムオブジェクトは管理センターのオブジェクトとルール > カスタムオブジェクト > オブジェクトの「オブジェクトを作成」から作成することができます。
ルックアップリレーションフィールドはフィールド作成時に、フィールドのタイプでルックアップリレーションシップを選択することで作成できます。
アカウント
Agent Months
Agent Monthsを含むアカウント向けに、新たに使用状況の確認レポートが追加されました。対象となるZendeskアカウントには、エージェントの月間のライセンス使用状況を確認および管理できるレポートが提供されます。このレポートがあれば、Zendeskに問いあわせることなく、ライセンス使用状況を把握することができます。詳しくは「Agent Monthsの管理」を参照してください。
まず、Agent MonthsとはZendeskの価格モデルの1つで、カスタマーが契約期間内にライセンスのプールを購入する価格モデルです。 今回のアップデートによるAgent Monthsを含むアカウントの使用状況の確認レポートは、管理センターのアカウント > 使用助教の確認 > フレキシブルエージェントにて確認することができます。
マクロの機能拡張
各エージェントが作成し、本人以外には使用できない個人用マクロが、管理者に表示されるようになりました。この可視性により、管理者は管理センターでアカウント内のすべてのマクロの全体像を把握することができます。詳しくは「マクロの整理と管理」を参照してください。
マクロを作成する際に、ターゲットユーザーを「すべてのエージェント」「グループ内のエージェント」「自分のみ」の3つから選ぶことで、マクロの権限を設定することができます。ここで「自分のみ」にすることで個人マクロとなり、他のエージェントから見えなくするということが出来ました。しかし今回のアップデートで管理者は管理センターから全てのマクロを確認できるようになりました。 マクロは管理センターのワークスペース > エージェントツール > マクロへ移動することで確認できます。
オブジェクトとルール
カスタムオブジェクトの機能改善
新たに機能改善されたカスタムオブジェクトが利用可能になりました。管理者はカスタムオブジェクトを定義し、カスタムフィールドでスキーマを構築し、エージェントにオブジェクトレベルの権限を指定し、チケットにルックアップリレーションフィールドを追加して、チケット内にカスタムデータを表示させることができます。エージェントは、チケット内でカスタムオブジェクトレコードを追加及び管理し、関連レコードをプレビューすることができます。さらに、トリガや分析でもカスタムオブジェクトとレコードを使用することができます。詳しくは「カスタムオブジェクトについて」を参照してください。
チケット内でのカスタムデータは上記の「レコードのプレビュー」の通りです。 これに加えて、トリガや分析でもカスタムオブジェクトとレコードを使用することができるようになりました。
トリガの機能拡張
機能拡張されたトリガ条件とアクションドロップダウンメニューにより、「オブジェクト」(チケット)フィールド、標準およびカスタムチケットルックアップリレーションフィールド、その他のチケット情報に関するトリガを作成できます。単にチケットフィールドを選択するだけでなく、条件とアクションを使用することで、関連オブジェクトのフィールドをさらに詳しく参照できるようになりました。詳しくは「トリガの条件およびアクションのリファレンス」を参照してください。
トリガの条件やアクションにカスタムオブジェクトに関する内容が増えました。これにより関連オブジェクトのフィールドをさらに詳しく参照することができるようになります。
トリガは管理センターのオブジェクトとルール > ビジネスルール > トリガへ移動し、「トリガを追加」から設定することができます。
Premiumサンドボックスから本番環境へトリガをデプロイメント
Premiumサンドボックスから本番環境へのトリガのデプロイメントが可能になりました。Premiumサンドボックス環境で新しいトリガや更新した既存のトリガを安全にテストし、数回のクリックだけでトリガの設定を本番環境に直接デプロイメント出来るようになりました。依存関係のマッピングは自動的に検出され、検出された依存関係の不足や重複を簡単に解決できます。詳しくは「Premiumサンドボックスから本番環境へビジネスルールのデプロイメント」を参照してください。
ZendeskのサンドボックスにはStandardとPremiumがありますが、今回Premiumサンドボックスから本番環境にトリガがデプロイメント出来るようになりました。 サンドボックスは管理センターのアカウント > サンドボックス > サンドボックス > サンドボックスの作成で作成できます。 また、サンドボックスからトリガをデプロイメントすると元に戻すことができないため、トリガの依存関係の不足や重複の確認が重要となります。もしデプロイメントしたトリガを元に戻す必要がある場合は、管理センターのオブジェクトとルール > ビジネスルール > トリガへ移動し、改訂履歴から以前のバージョンに戻します。
Webhook
Webhookは、エージェントの空き状況に関するイベントをサブスクライブして、チャネルステータスまたはエージェントステータス統合が変更されたとき、作業アイテムがエージェントに割り当てられたり割り当てを解除されたとき、エージェントがチャネルへのアクセスを獲得したり失ったりしたとき、またはエージェントのチャネルに対する作業アイテムの最大数が変更されたときに、自動的に実行することができます。エージェントの空き状況に関するイベントには、オムニチャネルルーティングのアクティブ化と非アクティブ化を検出するイベントも含まれます。詳しくは「サードパーティーシステムとやりとりするためのWebhookの作成」を参照してください。
Webhookを使用すると、ほぼリアルタイムでイベントに注意を向け、容易にデータの受け渡しを行ってサービスやインテグレーションに使用することができます。 たとえば、ユーザーが削除されたときや、新しいチケットが作成されたときにリクエストを送信するようにWebhookを設定することができます。 Webhookは管理センターのアプリおよびインテグレーション > Webhook > Webhookへ移動し、「Webhookを作成する」から作成することができます。
Zendeskボット
事前トレーニングされた目的の設定
高度なボットのための目的の提案は、過去のボットの会話データに基づいて、カスタマーが問いあわせている一般的なトピックを強調表示します。管理者はこの情報を使用して目的に対する解答を作成することで、チケットを削減したり、ボットの全体的なパフォーマンスを向上させたりすることができます。この機能は「高度なAI」アドオンに含まれています。詳しくは「会話ボットでAIが搭載した目的を使用する方法」を参照してください。
ボットの編集は管理センターのチャネル > ボットと自動化 > ボットで編集することができます。 回答に対して、事前トレーニングされた目的を設定することが出来るようになりました。(「高度なAI」アドオンの一部として含まれています)
事前トレーニングした目的を解答に追加すると、トレーニング用の表現は非表示になりますが、「ボットを自分でトレーニング」を選択することでトレーニング用の表現に戻すことができます。
Talk
Talk Partner Editionの2つの新機能
Talk Partner Edition(TPE)APIに、コンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)に役立つ2つの機能、Standard Call Objectと新しいVoice Commentが追加されました。Standard Call Objectは、サードパーティーの業界標準のコールデータをZendeskに保存する方法です。Voice Commentは、エンドユーザーの電話番号、電話を受けたエージェントの名前、通話時間などの情報を表示するボイスメールに最適です。詳しくは「Talk Partner Editionの概要」と「製品関連の告知:Talk Partner Editionの新機能をリリース」を参照してください。
Talk Partner Edition APIは直接Supportと連携したり、既存のインテグレーション機能やTalk Partner Edition APIを利用したりすることができます。Talk Partner Edition APIを使用すると、チケットを作成してエージェントに表示したり、録音や会話記録をチケットに追加したりといったアクションをトリガに設定することができます。
Standard Call Object(標準コールオブジェクト)は、サードパーティの業界標準のコールデータをZendeskに保存するためのストレージで、今後リリースされるZendeskの機能の基礎となる機能になります。
Voice Commentは、現在Talk Partner EditionベースのアプリとZendesk Talkの両方で、発信者の電話番号、コールに応答したエージェントの名前、コール時間など、コールに関連する情報を表示するために使用されている特別なタイプのコメントです。
まとめ
以上、Zendeskの2023年10月のアップデート情報について詳しくまとめました。 今回のアップデートではZendesk内のマクロやビューなどの利用頻度の多い機能の内容が多く見られました。また、インテグレーションも幅広くなっていることを感じました。
参考記事
Zendeskヘルプ > 製品関連のニュースと新着情報 > Zendeskの新機能 > Zendeskの新機能:2023年10月